その"もの忘れ"、アルツハイマー病かもしれません。
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専門医と一緒に学ぼう<後編>
MC)
今、お使いいただいた冊子の中の体験が
日常の中でどのように現れていくのか、日常の中に現れたらどのように見えるのか
それを体験できるのが、こちらの「アルツハイム921号室」という
本日のステージになっております
少しちょっとお立ちいただきまして見ていきたいと思います
早速、気になるところがあるんですけれども、皆さん、いかがでしょうか
まずですね、壁ですとか、こちらの冷蔵庫の扉にも
メモがたくさん貼ってあるな、という印象なのですけれども
先生、これはどういった症状でしょうか?
木下先生)
アルツハイマー病の初期の方は、やはり記憶障害がございますので
自分のスケジュールなどを、ちゃんと覚えておくことが難しくなるんですね
ただ、本当に初期の方は「自分でそれを何とかしよう」という意識が出ますので
一生懸命、ポストイットとかに書いて、ペタっと貼っておくんです
ただ「ポストイットを貼った」ということも忘れてしまうんですね
ですから「同じようなメモがいくつもいくつも積み重なってしまう」というような症状として現れます
MC)
そして今、ご覧いただいたこの冷蔵庫なんですけれども、開きます
そして中も、しっかり色々と入っていますね
よく見るとお味噌が3つありますし
ケチャップ、マヨネーズも同じものが、たくさん入っているような気がしますけれども
こちらも症状のひとつですか?
木下先生)
そうですね、例えば、お味噌を買ったとします
ところが、家に帰って、(お味噌を)しまって、冷蔵庫の扉を閉めると
お味噌を買った、ということも忘れてしまうわけですね
ですから、また次の日に「あら、お味噌を買わなくちゃいけないわ」となって
お味噌を買ってくる、そして、冷蔵庫に入れる
そういう繰り返しになりますので
結局、同じものを次々と買ってくるということになってしまいます
MC)
思い当たる節がある方もいらっしゃるかもしれません
そして、同じものを買うと言いますと、先生
木下先生)
そうですね、ここに同じ花もありますね
このように、食品だけではなくて、お洋服とかもそうなのですが
「色々なものを買ったのに、またそれを忘れて買ってしまう」という症状が出ましたら
少し注意が必要ですので
周りの方は「家の中に同じものがいくつもないかどうか」というのを
チェックしていただければ良いかなと思います
MC)
先生が気になるところはございますか、ご紹介したい点など
木下先生)
そうですね、じゃあ、私はこれですかね
MC)
これはバッグの中に
木下先生)
リモコンがある
木下先生)
これは本当に、私の患者さんでもいらっしゃるんですけれども
デイサービスに行くバッグに、テレビのリモコンとか、エアコンのリモコンを
自分の携帯電話だと思って間違えて入れてしまった、という方もいらっしゃいます
形がちょっと似てますのでね
それで、家の方がエアコンを使おうと思ってもリモコンがない
すごく困ったとおっしゃったこともありますので
「思わぬところに 思わぬもの」があったら、それもちょっと注意ですね
例えば、あれもそうですよね
MC)
冷蔵庫の中をもう一度ご覧いただきますと、よく見ると、お財布ですか
木下先生)
お財布もありますね
MC)
こういったことも良くあるのですか
木下先生)
自分の大事なものは、ちょっと人の目に付かないところに しまっておこうと思って
変なところにしまってしまうんですね
そして、しまったことを忘れて「ない、ない」と探してしまうことがありますので
そういった「変なところに 変なものがある」という症状も注意が必要かなと思います
MC)
まだまだ気になる点がございまして、例えば
先生、この不在票がたくさん、かさばっているのも気になるのですけれども
木下先生)
宅配便とかの不在票がたくさん机の上に載っている、というのも
良くあることかと思うのですけれども
特に、最近の宅配便は再配達するのに
携帯電話やスマホなどで、QRコードを読み込んだりとか
電話したりしなきゃいけないですよね
そういったことが「できなくなってくる」とか「面倒くさくなってくる」
あるいは「やらなきゃいけないことを忘れてしまう」場合に
このように、不在票が何枚も積み重なってしまうということがありますので
そういった症状が出ましたら、少し注意が必要かなと思います
MC)
本当に様々な症状があるということなのですが、最後にもう1点だけ
私、気づいてしまいました、先生
カレンダーが3つあるのですけれども、4月、2月、12月、全部違いますよね
このバラバラになったカレンダーというのも、何か症状のひとつですか
木下先生)
そうですね、やはりカレンダーをきちっとめくっていく為には
ちゃんと覚えていて、「あ、今日が月末だ」「じゃあ、めくらなきゃ」と
「覚えていて、認識して」めくりますので、それをやっぱり忘れてしまう
今日、めくらなきゃいけないというのを忘れてしまうということが
こういう「色々なカレンダーがある」ことになると思います
その結果として「友達との約束を忘れたり」とか
「病院の通院のスケジュールを忘れてしまう」ということも出てくるのかなと思います
05:38
MC)
皆さん、いかがだったでしょうか
アルツハイマー病の初期では、色々な症状がみられるということが分かりました
そして先生、最後にもうひとつ、よろしいですか
先生の今後ろにありますテレビなのですけれども
このテレビの画面に映っている「アミロイドβ(ベータ)」
こちら、冒頭に先生お話しいただいたことですよね
木下先生)
そうですね、これは最初にお話ししたように
アルツハイマー病の患者さん(の脳)で最初に溜まってくる、異常な老廃物のことなんですね
ですから今日は
(アルツハイマー病は)このアミロイドβが溜まってくる病気なんだ、と覚えていただいて
必ずしも、アルツハイマー病になったらひどい認知症になるというわけではなくて
まず「アミロイドβ」が溜まってくる
その時は、まだまだ症状は非常に軽い状態ですので
この「アミロイドβ」を速やかに取り除いてやる、という治療が開発されましたので
それを心に留めておいていただいて、早期発見につなげていただければと思います
06:44
MC)
皆さんも復習ができたのではしょうか
アルツハイマー病の原因は「アミロイドβ」
そして、アルツハイマー病は「早期に発見することが大切」だということも、本日学びました
先生、改めてお集まりの皆さんにメッセージをお願いいたします
木下先生)
アルツハイマー病は、ここ2、3年で治療法が大きく進歩しています
さきほどお話しした「アミロイドβ」を、早期であれば取り除くことができます。
そしてまた、取り除くことによって神経のダメージを防ぐことができますので
進行がゆっくりになるということが期待されます
ですので、今日は本当に
「早期に発見することがより治療の可能性を広げる」と覚えて帰っていただきまして
そして、周囲の方にお伝えいただく、あるいは自分自身ですね
あるいは、周りの家族の気になる症状があったら
「すぐに専門医の方に相談していただく」ということが重要かなと思います
MC)
ありがとうございます。
まさに、木下先生のような専門医の先生にご相談できるのだなと思うと
皆さんも心強いのではないかなと思います
それでは、以上をもちまして
「年のせいじゃない“もの忘れ”展」のトークイベントを終了とさせていただきます
木下先生、本日は丁寧なご解説を、本当にありがとうございました
08:07
今日の体験は「診断」ではありません
ただ、“もの忘れ”を、年のせいとして見過ごすのではなく
「相談して良いサインを知る」きっかけにしていただければと思います
そして「気づいた時には相談できる場所がある」のだということ
これがとても大切なポイントだと思っております
皆様の本日の体験を、ぜひ一人でも多くの方に広げていただければと思っております
最後までお付き合いいただきまして、誠にありがとうございました