脳の健康とは?

脳の健康とは、運動や感情、感覚、触覚などのさまざまな領域において、脳が適切に機能している状態をあらわす言葉です。重要なのは、脳の健康には、何かを考えたり、学んだり、思い出したりする力がどの程度保たれているかといった、認知機能の健康状態も含まれる点です。

年をとって脳の健康状態が変化すると、認知機能に影響があらわれることがあります。ある程度の変化は自然な老化によるものですが、より深刻な認知機能の低下がみられる場合は、アルツハイマー病などによる認知症が原因となっている場合もあります。以前よりももの忘れが気になるようになった、頭がうまく働かなくなってきた、周囲の人とやりとりしづらくなったなどの変化を感じている場合、それは認知症の兆候かもしれません。

アルツハイマー病

アルツハイマー病は認知症の原因の約7割を占めるといわれています1)。アルツハイマー病はもの忘れといった記憶の障害から始まり、徐々に認知機能全体が低下していく進行性の疾患です。そのため、認知機能を維持するための行動にできる限り早く取り組んでいくことが大切です。
1) 厚生労働科学研究費補助金(認知症対策総合研究事業) 「都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応」総合研究報告書(2013)

アミロイドβと脳機能の関連

アルツハイマー病には、脳内にあるアミロイドβというタンパク質が関係するといわれています。

  • アミロイドβは、体内で自然につくられるタンパク質ですが、脳内にアミロイドβが異常に蓄積して「アミロイドプラーク」ができると、私たちの記憶や思考に影響を及ぼす可能性があります。
  • アミロイドプラークの蓄積は、症状があらわれる10年から20年以上前から始まることもあるといわれています。
  • 症状があらわれていないとしても、早くから認知機能の健康状態を意識し、行動することは可能です。
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記事監修:
神戸大学大学院医学系研究科 健康科学専攻 リハビリテーション科学講座 教授
古和 久朋