乾癬の基礎知識を見る

乾癬の原因


●乾癬の原因は特定されていませんが、最近の研究では免疫の異常によって発症することが分かってきました。

乾癬発症の原因の1つは遺伝と環境要因の可能性

乾癬の発症原因は今のところ明確になっていませんが、原因の1つとして遺伝的な要因と様々な環境要因1)が加わって発症すると考えられています。遺伝的な要因とは、その人が生まれ持った体質です。家族からの遺伝での乾癬の発症率は、欧米では20~40%程度、日本では4~5%程度2)と言われています。

環境要因には、感染症をはじめ、薬剤の使用、気候条件、ストレス、睡眠不足・偏った食事などの外的な因子と糖尿病や高脂血症、肥満などの内的な因子があります。

乾癬発症の原因「遺伝」「環境要因」

最近の研究で明らかになった免疫の異常による乾癬の発症

さらに、最近の研究により、乾癬による皮膚症状の原因として、免疫が深く関与していることが分かってきました。免疫とは細菌やウイルスなど異物が体内に侵入するのを攻撃して排除しようとするシステムです。しかし、何らかの原因で免疫システムが正常に機能しなくなると自分の組織や細胞を攻撃してしまうのです。乾癬は、もともと自己免疫反応が起きやすい体質の人に、ストレスや不規則な生活などの環境因子が加わると、免疫システムに異常をきたして自身を攻撃してしまい発症する疾患の1つです。

免疫の異常には体内の様々な物質が関わっていますが、乾癬病変部では炎症を引き起こすサイトカイン※1が大量に生産されています。サイトカインとは、細胞間の情報伝達を担うタンパク質です。本来は体を正常に機能させるために必要ですが、免疫異常などにより過剰に増えると炎症を引き起こします。サイトカインの中でも乾癬の発症に大きく関与しているのはIL-17Aという糖タンパク質です。この他にもTNFαやIL-12、IL-23といったサイトカインが乾癬の発症に関わっていると考えられています。

> 体内の免疫に体内の免疫に関わるIL-17A(メカニズム)とその対処について

皮膚症状とIL-17A

乾癬を悪化させる要因

最後に乾癬が悪化する要因をみていきましょう。

外部からの刺激

症状のない皮膚が傷付くと新たな発疹ができることがあります。また、やけどや虫刺され、髭剃りによる傷、衣服の刺激も乾癬が悪化する原因になります。

乾燥と日照の少なさ

乾癬は湿度が高く日照時間の長い夏は症状が軽快する傾向にあります。逆に空気が乾燥して日光に当たる機会が減る冬に悪化しやすくなります。

感染症、合併症

乾癬は湿度が高く日照時間の長い夏は症状が軽快する傾向にあります。逆に空気が乾燥して日光に当たる機会が減る冬に悪化しやすくなります。

不規則な生活習慣

乾癬は湿度が高く日照時間の長い夏は症状が軽快する傾向にあります。逆に空気が乾燥して日光に当たる機会が減る冬に悪化しやすくなります。

精神的ストレス

ストレスは乾癬を悪化させる大きな要因です。かゆみなどの症状がストレスとなり、さらに乾癬が悪化するという悪循環を生むこともあります。

乾癬は長く付き合っていく疾患です。生活習慣などを見直すことで悪化を防ぎ、できるだけ快適に過ごせるようにしましょう。

※1 サイトカインとは、細胞から細胞へ情報を伝達する物質で、本来は体を正常に機能させるために必要なタンパク質です。何らかの原因で過剰に増えてしまうと、炎症やアレルギー症状などを引き起こします。

1)環境要因には、ケガや感染症をはじめ、薬剤の使用、気候条件、ストレス、睡眠不足・偏った食事など外的な因子と糖尿病や高脂血症、肥満などの内的な因子があります。

2)日本皮膚科学会 乾癬の原因は何ですか?

https://www.dermatol.or.jp/qa/qa14/q03.html