アトピーQ&A
監修:東京医科大学皮膚科学分野 特任教授
アレルギーセンター センター長 大久保 ゆかり先生
よくある質問とその回答
アトピー性皮膚炎についてよく聞かれる質問と、その答えをまとめました。
アトピー性皮膚炎は、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返す、慢性の病気です。小児期に発生したアトピー性皮膚炎では成長とともに、自然と治ることもあります。治らない場合も、スキンケアと適切な治療によって、症状をコントロールし、快適な生活を送ることは十分に可能です。最近では、新しい治療法も出てきているので、あきらめずに長くつきあっていくことが大切です。
特定の食べ物が症状を悪化させる可能性はありますが、アトピー性皮膚炎は様々な要因が複雑に絡み合って発症・悪化すると考えられています。したがって、特定の食べ物を避ける食事だけではアトピー性皮膚炎の完治は期待できません1)。食べ物が原因かもしれないと思った場合は、自分の判断で食事制限をせずに、主治医に相談して、必要に応じてアレルギーの検査を受けるようにしましょう。
ステロイド外用薬は、主治医の指示に従って、症状に合った強さの薬を、必要な期間に使うことにより、アトピー性皮膚炎の症状を抑えることができます。自分の判断で使うのを勝手にやめたり、薬の量を増やしたり減らしたりしないようにしましょう。また、指示された範囲の部位以外に塗布する場合は主治医に相談しましょう。
皮膚のバリア機能が低下しやすい、乾燥した気候や寒冷地では、症状が悪化しやすくなります2)。一方、高温多湿な環境では、汗をかきやすく、汗をかいたまま放置しておくと、アトピー性皮膚炎の症状を悪化させます。下着を着替えるなど、適切な対応をしましょう。
ぬるめ(38〜40℃)のお湯を使うのがよいでしょう1,4)。体を洗う際は、刺激の少ない石鹸・ボディソープ・シャンプーを使って、皮膚を傷つけることがないようにやさしく洗います1)。その後、石鹸・ボディソープ・シャンプーが皮膚に残らないようにぬるま湯で十分に洗い流します。また、お風呂から上がったら、できるだけすぐに保湿剤を塗るようにしましょう。
ストレスは症状を悪化させる要因の一つと考えられています1,5)。運動等を含めて自分に合った方法でストレスを解消するように心がけましょう。
気管支喘息やアレルギー性鼻炎など、他のアレルギーの病気を持っている患者さんが多いことが知られています1)。
1日2回、そのうち1回はお風呂から上がってできるだけすぐに保湿剤を塗るようにします。湿疹のある場所だけでなく、正常に見える場所も含めて全身に塗るのが望ましいとされています1)。
日に当たりすぎると症状が悪化する可能性があります1)。帽子をかぶる、なるべく日陰を歩く、日焼け止めを使うなどの対策をしましょう。
症状が良くなった後も、また悪くならないようにするための治療(維持療法)を続けましょう1)。また、治療を突然やめると、症状が急激に悪化する場合があります。治療は主治医と相談しながら進めるようにしましょう。
アトピー性皮膚炎の研究は近年、大きく進歩しています。炎症が起こる仕組みが詳しくわかってきて、新しい治療薬の開発につながっています6,7)。特に、炎症に関係する特定の物質(サイトカインなど)をターゲットにした治療薬が登場し、これまで治療が難しかった中等症から重症の患者さんにも効果が期待できるようになりました。
最近出てきた主な新しい治療薬として、以下のものがあります1,6-8)。
・生物学的製剤: 皮膚の炎症やかゆみを引き起こす特定の体内物質(IL - 4、IL - 13、IL - 31など)の働きを抑える注射薬です。中等症から重症のアトピー性皮膚炎に使われます。
・経口JAK阻害薬: 皮膚の炎症やかゆみを引き起こすJAK(ヤヌスキナーゼ)という体内物質の働きを抑える飲み薬です。中等症から重症のアトピー性皮膚炎に使われます。
・抗炎症外用薬: JAK阻害外用薬、PDE4阻害外用薬、AhR調節外用薬があります。いずれも皮膚の炎症やかゆみを抑える塗り薬で、患者さんの状態に合わせて使い分けられます。
これらの薬は、今までの治療で十分に効果が得られなかった患者さんにとって、新しい治療の選択肢となっています。
・生物学的製剤: 皮膚の炎症やかゆみを引き起こす特定の体内物質(IL - 4、IL - 13、IL - 31など)の働きを抑える注射薬です。中等症から重症のアトピー性皮膚炎に使われます。
・経口JAK阻害薬: 皮膚の炎症やかゆみを引き起こすJAK(ヤヌスキナーゼ)という体内物質の働きを抑える飲み薬です。中等症から重症のアトピー性皮膚炎に使われます。
・抗炎症外用薬: JAK阻害外用薬、PDE4阻害外用薬、AhR調節外用薬があります。いずれも皮膚の炎症やかゆみを抑える塗り薬で、患者さんの状態に合わせて使い分けられます。
これらの薬は、今までの治療で十分に効果が得られなかった患者さんにとって、新しい治療の選択肢となっています。
- 参考文献
- 佐伯秀久, 他. アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2024年版. 日皮会誌. 2024;134:2741-2843.
- Engebretsen KA, et al. The effect of environmental humidity and temperature on skin barrier function and dermatitis. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2016;30:223-249.
- Sargen MR, et al. Warm, humid, and high sun exposure climates are associated with poorly controlled eczema: PEER (Pediatric Eczema Elective Registry) cohort, 2004-2012.
J Invest Dermatol. 2014;134:51-57. - Denda M, et al. Effects of skin surface temperature on epidermal permeability barrier homeostasis. J Invest Dermatol. 2007;127(3):654-659.
- Hall JM, et al. Psychological Stress and the Cutaneous Immune Response: Roles of the HPA Axis and the Sympathetic Nervous System in Atopic Dermatitis and Psoriasis. Dermatol Res Pract. 2012;2012:403908.
- Haddad EB, et al. Current and Emerging Strategies to Inhibit Type 2 Inflammation in Atopic Dermatitis. Dermatol Ther (Heidelb). 2022;12:1501-1533.
- Fania L, et al. Multiple Roles for Cytokines in Atopic Dermatitis: From Pathogenic Mediators to Endotype-Specific Biomarkers to Therapeutic Targets. Int J Mol Sci. 2022;23:2684.
- Igarashi A, et al. Tapinarof cream for the treatment of atopic dermatitis: Efficacy and safety results from two Japanese phase 3 trials. J Dermatol. 2024;51:1404-1413.