生活で役立つ知識

監修:東京医科大学皮膚科学分野 特任教授 
アレルギーセンター センター長 大久保 ゆかり先生

アトピー性皮膚炎との上手な付き合い方

アトピー性皮膚炎の治療にあたっては、毎日の生活での工夫も大切です。

1. 保湿する 1)

1日2回、そのうち1回はお風呂から上がってできるだけすぐに保湿剤を塗ります。湿疹のある場所だけでなく、正常に見える場所も含めて全身に塗るのが望ましいとされています。また、冬など乾燥している時期には、加湿器を使用するなどして部屋の湿度を適度に保ちます。加湿器を使用するときは、加湿器のフィルターにカビが生えることのないよう注意してください。エアコンを使用するときは、暖かい乾燥した風が肌に直接のあたることのないよう注意してください。

2. 皮膚を清潔に保つ 1,2)

刺激の少ない石鹸・ボディーソープ・シャンプーを使って、皮膚を傷つけることがないようにやさしく洗います。その後、石鹸・ボディソープが皮膚に残らないようにぬるま湯で十分に洗い流します。

入浴

3. 刺激の少ない素材の服を着る 3,4)

ウール(羊毛)や合成繊維(ポリエステルなど)はできるだけ避け、綿などの自然素材を選びます 2,3)

着替え

4. 室内のアレルゲンを少なくする 1,2)

室内のアレルゲンを少なくすることも症状悪化の予防策の1つです。
・ダニ対策
部屋の清掃、換気をこまめに行ったり、布団の天日干し、シーツの洗濯などにより寝具を清潔に保つようにします。
・ペット対策
ペットの毛やフケに対するアレルギーがある場合は、ペットとの接触を避けるようにします。
・花粉対策
帰宅時に衣服に付着した花粉を払い落とし、顔を洗うかシャワーを浴びるようにします。また、花粉用眼鏡やマスクを着用するようにします。洗濯物は外に干さないようにします。

5. バランスの取れた食事を心がける

バランスの取れた食事を心がけ、食べ物で気になることがある場合は、自己判断で食事を変えるのではなく、主治医に相談するようにします。

6. ストレスマネジメントを行う 1,2,5)

ストレスを受けた時の自分なりの対処法を身につけるようにします。

7. 適度な運動を行う

適度な運動をこころがけましょう。

8. 紫外線に注意する 1,2)

春・夏など紫外線が強い時期は、外出する際は、帽子をかぶる、なるべく日陰を歩く、日焼け止めを使うなどの対策を行い、紫外線から肌を守るようにします。日焼け止めは、紫外線吸収剤を含まないノンケミカルのものをお勧めします。

紫外線対策

9. 汗に注意する 1,2)

汗をかくこと自体は避ける必要はありませんが、皮膚や衣服が濡れるほど汗をかいた際は、柔らかいタオル等でやさしくふき取るか、洗い流すようにします。すぐに洗い流せない場合は、綿の下着を用意しておき、着替えるようにします。

参考文献
  1. 佐伯秀久, 他. アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2024年版. 日皮会誌. 2024;134:2741-2843.
  2. Tamagawa-Mineoka R, Katoh N. Atopic Dermatitis: Identification and Management of Complicating Factors. Int J Mol Sci. 2020;21:2671.
  3. Diepgen TL, et al. Textile intolerance in atopic eczema--a controlled clinical study. Z Hautkr. 1990;65:907-910.
  4. Wahlgren CF, et al. Patients'perception of itch induced by histamine, compound 48/80 and wool fibres in atopic dermatitis. Acta Derm Venereol. 1991;71:488-494.
  5. Arndt J, et al. Stress and atopic dermatitis. Curr Allergy Asthma Rep. 2008;8:312-317.