日常のケア~足・目・歯・皮膚~
足のケア
血行不良、神経障害や感染への抵抗力の低下で、足の状態が悪化する可能性があります。年に1度は医師や看護師に足の感覚低下がないか検査してもらいましょう。爪や、たこの手入れのことで糖尿病の担当医師や皮膚科医師にかかる必要があれば、定期的に診てもらいましょう。
足を最良の状態に保つケア
- 毎日足をチェックしましょう。
赤くなっていないか、腫れ、うおの目、たこ、嵌入爪(かんにゅうそう)や皮膚の損傷がないかを調べます。
必要ならば鏡を使い、問題があればすぐに医師や看護師に伝えてください。 - 足の爪はまっすぐに切り、丸く切らないようにしましょう。
爪やすりでなめらかにするとよいでしょう。 - 履き心地の良い、よく足に合った靴を履きましょう。
履き心地が悪い靴は処分しましょう。 - 室内でも素足で過ごさないようにしましょう。
- 低温やけどの原因になりやすいので、暖房器具を直接足にあてないよう注意してください。
- 非常に暑い時や、寒い時は特に足に注意しましょう。
- 診察時に靴や靴下を脱いでおけば、担当の医師や看護師が忘れずに足のチェックをしてくれるでしょう。


糖尿病患者さんの足のケア
糖尿病による足のトラブルは重症化しやすいため予防・早期発見が大切です。どのように足を観察すれば良いか、足の手入れの方法についてこちらの冊子からご覧ください。
監修:
下北沢病院 糖尿病センター 富田 益臣 先生
- 糖尿病による足のトラブルは重症化しやすいため予防・早期発見が大切です
- 毎日足を観察しましょう!
- 足の手入れをしましょう
- 足のトラブルは早めに治療しましょう
- 足にあった靴をはきましょう
- 足の病気になりやすいかどうか。「AAAスコア」でチェック!
皮膚のケア
糖尿病に関係する皮膚の症状には、つらいかゆみから痛みを伴う感染症までさまざまですが、こんな症状を防ぐためにできることはたくさんあります。
基本的な皮膚のケア
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刺激の少ない石鹸を使って、ぬるめの風呂に毎日入りましょう。
あがった後は皮膚を柔らかく保つために少量のローションを塗ってください。 - 引っかき傷やあざを作らないよう、特に注意しましょう。
- けがをする可能性のあることをする場合は、手袋をはめましょう。
- 日焼けをしないよう、日焼け止めクリームを塗り、紫外線対策を講じましょう。
- 寒い時は暖かい服装をして、長時間寒い場所にいないようにしましょう。
- 切り傷やすり傷は石鹸と水で洗い、清潔な包帯を巻いておきましょう。
- 皮膚の傷はすぐに治療するものです。傷が治らない場合は医師や看護師に相談してください。

歯のケア
血糖値が高いと虫歯や歯周病のリスクが高まります。
こういったトラブルを防ぐためにできるケアを実行しましょう。
歯のケアのポイント
- 毎日歯を磨き、デンタルフロスを使って清潔にしましょう。
- 半年に1回は歯科医を受診しましょう。
- 歯科医に、自分が糖尿病であることを告げましょう。

目のケア
糖尿病が原因で起こる目の病気(網膜症)は、初期のもっとも治療しやすい段階では、自覚症状がありません。
そこで毎年、詳しい目の検査を受けることが大切なのです。進行具合によっては眼底検査だけでなく、蛍光造影検査などで詳しく目を検査する必要があります。
こんな症状が1つでもあったら、すぐ眼科医へ
- ものがかすんで見えたり、二重に見えたりする。
- 視野が狭くなった。
- 黒い点が見える。
- 目に圧迫感や痛みがある。
- 薄暗い時に異常に見えにくい。
