重症低血糖への備え ①気をつけること
なぜ重症低血糖に備えるのか?
重症低血糖の処置が遅れると、命にかかわることがあります。また、危険な場所での作業中や自動車の運転中に重症低血糖を起こすと事故につながるおそれがあります。
まずは低血糖について、ご家族や周囲の方に知っていただき、重症低血糖に陥る前に対処できるようにしてください。また、重症低血糖の予防策や、もし重症低血糖が起こった場合、すみやかに処置できるよう、重症低血糖の症状や対処方法について理解しておくことが必要です。
ご家族や周囲の方と低血糖について話をしましょう
糖尿病患者さんのご家族を対象とした調査では、ご家族も患者さんと同じように低血糖に対して不安や恐れを感じていることが明らかになりました1)。
ご家族や周囲の方との会話の中で、低血糖について話題にすることは気が進まないかもしれません。しかし、糖尿病患者さんのご家族の多くが、低血糖に関する患者さんとの会話を通して、患者さんが低血糖でどんな経験をしたか理解できたと回答しています。また、低血糖が起こった際にどのように介助したらよいか理解できたと回答しました。さらに、8割以上の患者さんのご家族が、低血糖に関する会話を通して患者さんとの心の距離が縮まったと感じていると回答したことが明らかになりました1)。
重症低血糖についてご理解いただき 一緒に備えるためのご家族向けチェックシートはこちら >
ご家族向けチェックシートはこちら重症低血糖を防ぐために
主治医の指示を守り、良好な血糖コントロールを維持しましょう
低血糖を経験した患者さんは低血糖へのおそれから、自己判断で糖尿病治療薬の治療をやめたり量を調節したりしてしまうことがあるようです。しかし、これは血糖値が不安定となるため危険です。
主治医の指示を守り、きちんと治療を続けましょう。気になることがあれば主治医に伝え、話し合うようにしましょう。
体調が悪いとき(シックデイ)は主治医に報告しましょう
血糖値は他の病気の影響を受けることがあります。一般的に、風邪やインフルエンザなどの感染症では高血糖になりやすく、下痢やおう吐をともなう消化器疾患では低血糖を起こしやすいといわれています2)、3)。糖尿病治療薬を使用している患者さんは、食事がとれなくても自己判断で治療を中断せず、主治医に連絡をしましょう。主治医は他の病気の重症度や、その時の体調(食事や水分の摂取状況など)を考慮して糖尿病治療薬の量を調節します。
血糖値、食事量、運動量などを記録しましょう
血糖値や食事や運動など、下記の項目について毎日記録しましょう。
記録した内容は、診察時に主治医や医療スタッフに報告しておきましょう。
低血糖をくりかえしている方は、重症低血糖への備えについて、医師に相談しましょう。
相談チェックシートはこちら日頃から、大切な人たちと低血糖について話し合いいざというときに備えて一緒に準備をしておきましょう。
大切なひととの対話のはじめ方はこちら参考資料