すこやか運動療法
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■等尺性運動
入浴後がおすすめ。毎日の等尺性運度を習慣にしましょう!
等尺性運動とは、関節を動かさないで筋肉に力を入れる( 収縮させる) 運動で、少ない動きでできる筋肉のトレーニングです。筋肉が伸び縮みせず長さが変化しないので、「等尺性」という名前がついています。関節や筋肉の働きが弱るのを防ぎ、維持する目的で行います。入浴後など、関節が温まった状態で行うとより効果的です。
痛みなど違和感が出たら、すぐに運動を中止してください。無理のない範囲で、毎日の等尺性運動を習慣にしていきましょう。
腕の運動
左右の手のひらを胸の高さで合わせ、ぐーっと6秒程度押していきます。
これを毎日10~20回ほど行います。
脚の運動
バスタオルを丸めて膝の下へ入れ、脚全体を床方向へ6秒程度押します*。
これを毎日10~20回ほど行います。
*かかとは地面につけ、脚を伸ばすように意識します。
※主治医と相談のうえ、身体の様子を見ながら行いましょう。
※痛みが強い場合や、疲れているときには運動を控えましょう。
※運動の効果には、個人差があります。
■自重トレーニング
体の重さを利用して筋力アップ!どの筋肉を鍛えているか意識しよう
自重トレーニングは、自分の体の重さを利用して筋力を維持・向上するトレーニングです。関節へ負担をあまりかけずに、生活の中で手軽に行うことができます。
ここでは動きが少なく、より低負担なメニューをご紹介します。①は物を持つ力などに関わる腕と胸の筋肉、②と③は歩く力に関わる太ももとふくらはぎの筋肉を鍛えるもので、継続的に取り組んでほしいですね。トレーニング中は、どの筋肉を鍛えようとしているか意識しましょう。
監修:作業療法士 大屋 祐貴(おおや・ゆうき)さん
おすすめの運動
どの運動も、10秒×3セットを、1日2~3回程度行ってください。(最初は1日1回から始めて、慣れてきたら朝と晩の2回など回数を増やしていきましょう)
① 二の腕、胸の運動
胸の前で手のひらを合わせ、手首をまっすぐ伸ばしたまま、10秒間、グーッと上下に押し合います。特に胸の筋肉を意識してみましょう。
② 太もも前部の運動
イスに深く座ります。片足をゆっくり上げ膝の関節が伸びきったところで10秒間キープし、ゆっくり下ろします。可能なら足首は体側にグッとそらしてください。もう片方の足も同様に行います。
③ ふくらはぎの運動
椅子に浅く座った状態で、両足のかかとを上げ10秒間キープします。余裕がある場合は、イスの背もたれを持って、立ったままかかとを上げるとより負荷を高めることができます
※主治医と相談のうえ、身体の様子を見ながら行いましょう。
※痛みが強い場合や、疲れているときには運動を控えましょう。
※運動の効果には、個人差があります。
■ながら運動
退屈な掃除や洗濯も、ながら運動でムリなく体を動かす機会に!
家のことをしながら気軽に取り組めるのが“ながら運動”です。ポイントは、できるだけ体を大きく動かすこと。掃除機をかけるときには、大きな動きをすることで関節の可動域維持ができます。洗濯物を干すときには体をひねる動きを加えることで、体幹を鍛えられます。また、体を拭くときに体を横に倒すことで、脇腹を伸ばすことができます。
なお、ながら運動をするときは、転倒防止のため、裏側に滑り止めが付いているスリッパを履くなどしてください。
監修:作業療法士 大屋 祐貴(おおや・ゆうき)さん
おすすめの運動
① 掃除機をかけながら
掃除機を片手で持ち足を前に踏み出します。踏み出した足の膝は直角に近づくように曲げ、もう片方の足はふくらはぎの伸びを意識します。次に、反対側の足を踏み出し、同じ動きを行います。
② 洗濯物を干しながら
物干しスタンドに背を向けて立ち、そのまま体をねじって洗濯物を干します。体をねじるのがつらい場合は、立つ角度を調整してください。脇腹の伸びを意識するのがポイントです。
③ 体を拭きながら
両手でタオルの端を持ち、そのまま頭の上に持ち上げます。背筋を伸ばしながら、できるだけ体を横に倒します。このとき胸を張って、脇腹を伸ばすのがポイントです。
※主治医と相談のうえ、身体の様子を見ながら行いましょう。
※痛みが強い場合や、疲れているときには運動を控えましょう。
※運動の効果には、個人差があります。