家族にも伝えよう
関節リウマチの主観的症状は、日常生活のちょっとした動作が負担になって現れることも。だからこそ、あなたの一番近くにいる家族の協力や理解が必要不可欠です。家族みんながより快適な毎日を過ごせるよう、家族とのコミュニケーションのとり方について振り返ってみましょう。
家族に伝えることの大切さ
関節リウマチと付き合ううえで欠かせない家族の協力
関節リウマチの治療を進めるうえで、家族の協力は欠かせないものです。無理のない範囲でからだを動かすのは、筋力を維持するためにも必要なこと。けれど、痛みを我慢して重い物を持ったり、だるいのに無理して家事をしたりすると、からだに負担がかかって症状が悪化することも考えられます。先生の場合と同じく、あなたが伝えなければ家族はあなたが困っていることになかなか気づけないもの。でも、実際には、自分の症状やお困りごとについて家族に伝えていない患者さんも少なくないようです。その背景には、どんな理由があるのでしょうか?
伝えられない理由がある?
関節リウマチの患者さんに、なぜ家族へ伝えないのかをたずねたところ、次のような理由が挙げられました。
家族に迷惑をかけたくない
「家族に迷惑をかけたくない気持ちが強いですね。自分でするほうが気楽だし、いうとかえってストレスになる気もして。多少の痛みがあっても、我慢して自分でなんでもするようにしています」
サボっていると思われたくない
「倦怠感がつらくても、休んでいたらサボっていると思われるかもしれないし。いつものことだから仕方ないと、家族にはなにもいわずに動いています」
いわなくてもわかっているのでは?
「痛みがあるのは家族も知っているだろうし、関節が曲がっているのはみてわかるだろうし。あえて自分からいうことはないですね」
忙しくて話す時間がない
「仕事から帰って家事をして、介護して。そんな毎日なので、夫が帰ってきたときはクタクタで、病気のことを話すどころか一緒に食事する気力もない感じです」
いままでは自分でできると思っていたけれど
「わたしががんばればいいと思ってやってきましたが、病院内で移動するときに車椅子に乗るようになって。そこではじめて、家族の助けが必要なことに気づきました」
このように理由は人それぞれですが、無理をしながら生活していることを家族に伝えられていない患者さんの様子がうかがえます。
家族への上手な伝え方
家族はあなたの言葉を待っている
では、家族はどう思っているのでしょうか。関節リウマチに関して「痛みがある」「骨が曲がっている」などの知識は持っていたとしても、あなたが日常生活のどの場面でどんなことに困っているのかまでは家族にはわかりません。ほんとうは無理をしているのに、それを隠して過ごしていると、家族はますますあなたの不調に気づきにくくなるでしょう。あなたを助けたくてもなにがつらいのか、どう助ければよいかわからなくてモヤモヤしている、そんなケースも少なくないのです。家族のサポートを得て、より過ごしやすい毎日を送るために、日常生活でつらいことや困っていることを具体的に家族に伝えてみましょう。
コミュニケーションに役立つツールを活用してみよう
いざ伝えようとしても、どう言葉にすればいいか迷うこともあるかもしれません。そんなときは、次のようなツールが役立ちます。
□ 主観的症状はからだの声?
患者さんの主観的症状をグラフなどで具体的に紹介しているので、家族への伝え方に困ったときの参考にしたり、家族と一緒にみながら関節リウマチへの理解を深めていくのもおすすめです。
こんな症状ありませんか?□ 日常生活の負担を減らす
関節リウマチの患者さんに多い日常生活での困りごとや解決方法をまとめています。解決策をイラストでわかりやすく紹介しているので、あなたがどんなことに困っているか、どのような手助けが必要なのか、家族も具体的に理解しやすいでしょう。
日常生活の負担を減らす「公益社団法人日本リウマチ友の会」が主催するイベントなどに家族と参加して、ほかの患者さんの話を聞いたりするのもおすすめです。
詳しくはこちら「ここまではできるけれど、ここは助けがほしい」と、あなたからわかりやすい言葉で家族に伝えることで、家族みんなが心地よく暮らしていける毎日につなげていきましょう。