■朝の不調を和らげる眠り方
眠れる身体づくりから始めましょう
十分眠れていますか?チェックリストで確認を
最初に、眠りについての自己チェックをしてみてください。
①布団に入って15分以内に眠れる
②夜中に目覚めず、朝まで眠れる
③朝起きたときスッキリ感がある
④日中眠くならない
当てはまらない項目がひとつでもあれば、改善の余地ありです。まずは血行をよくして、眠れる身体をつくりましょう。私たちの身体は、夜、体温を下げて眠りにつきますが、血行が悪いと体温調整がうまくいかず、睡眠中の疲労回復もしにくくなります。動ける日は散歩やストレッチで血行促進を。深呼吸も効果があります。
入浴でゆっくり身体を温めて
入浴で身体を温め、血行をよくすると、眠るときに手足から熱がスムーズに放出され、眠りにつきやすくなります。身体をリラックスさせるには、お湯の温度はぬるめの38~40℃に。10~20分間、ゆったり浸かりましょう。
深呼吸で血行を促進
現代人は呼吸が浅く、酸欠状態になりがち。深呼吸をすると酸欠が解消され、手足の毛細血管まで血液がいきわたります。カウントしながら「1~4」で吸って「5~8」で吐く、ゆっくりした呼吸を繰り返してみてください。
「足」をケアして眠れる身体に近づける
睡眠で悩んでいる方に特におすすめしたいのが足先のケアです。
足の歪みなどが、睡眠の質に影響を与えることがあります。足に歪みがあると、立つ姿勢だけでなく寝るときの姿勢も悪くなります。そのため、深い眠りが妨げられてしまうことがあるのです。
足の痛みや違和感がある方は、医師と相談しながら、症状の緩和をはかっていきましょう。例えば、足の親指から小指にかけてのアーチを保護するサポーターなどを使ってみてください。お休み前に足裏のストレッチをするのも効果的。血液の折り返し地点である足裏をほぐすと、血行が改善されます。
足用のサポーターを使ってみる
テーピングを施したり、サポーター(イラストは一例)を使うことで足の痛みが和らいだり、歪みが改善されることがあります。
※ご自身に合う装具を医師と相談のうえでお使いください。
眠れないときは足裏をストレッチ
①まずは、足裏中央をアーチをつくるようにグッと押し、足の親指と小指を内側へ折りたたむように曲げます。
②足の親指と小指を外側に広げます。この動きを何度か繰り返してください。保湿効果のあるローションを塗り、皮膚をケアしながら行うといいでしょう。
寝具と寝る姿勢を見直してみましょう
直立姿勢が保てて呼吸しやすい寝具を
マットレスは、ある程度しっかりした硬さの下層とソフトな上層を組み合わせた2層構造のものが、⾝体への負荷が少なくおすすめです。
寝てみたときに⾝体のどの部分も床の硬さを感じず、直⽴時と同じ姿勢を保てるものが理想です。寝返りがしづらいと感じている⽅は、⾝体が沈みにくい⾼反発素材で、クッション性に優れた製品を選ぶといいでしょう。枕も頸椎を直⽴時と同じ姿勢に保てるものを選びます。枕選びで迷ったときは、枕に頭を乗せた状態で深呼吸してみて、呼吸しやすいものを選んでください。
眠りのリズムを支える環境づくりを
「色」「光」「室温」の3つの要素を整える
人間はおかれた環境の色に影響されることがあります。寝つきをよくするには、グリーン、ブラウンなどリラックス効果があるとされる色を、寝室のインテリアやパジャマに取り入れてみてください。
また人間の体内時計は、朝の光で調整されます。体内時計がずれると寝つきが悪くなり、目覚めもすっきりしません。朝の光が自然に部屋に入るよう、カーテンは光を通す素材がおすすめです。
睡眠中は体温が1℃程度上下します。暑すぎたり寒すぎたりすると体温変化が妨げられますので、適度な室温を保つのも大事です。
インテリアや寝具に、眠りやすい色を取り入れよう
グリーン・ブルー・オレンジ・ベージュ・ブラウン(山や葉の色・空や海の色・太陽の色・砂の色・土や木の色)
①就寝前にはオレンジ色の照明に切り替えて、リラックスを誘う
②カーテンは朝の光を通すタイプを使うか、少し開けておく
③夏は室温26℃・湿度50%、冬は室温17℃・湿度50%を目安に調整を
ファイテン安眠アドバイザー
大河内 久義(おおこうち・ひさよし)さん
健康機器メーカー「ファイテン(株)」安眠プロジェクト所属。
安眠セミナーや相談会を全国で多数開催、眠りに関するさまざまな悩みに寄り添い、啓発活動を行っている。
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