先生への伝え方
患者さんが語った日常のふとしたエピソードが、治療の手がかりとなることもあるそうです。先生は患者さんとの会話を通して、「現在の治療法は最適か」「医療以外のサポートもいるのか」など、必要なアプローチを見出そうとしています。あなたの言葉で今の悩みや症状を先生に伝えることで、治療を前に進めるきっかけが生まれるかもしれません。
先生に伝えるときのコツ
先生への伝え方はどうしたらいいの?
先生には、あなたが診察室の外でどのように過ごしているかまではわかりません。一方で、診察時間には限りがあるため、できるだけ端的に情報を伝える必要があります。「①どんな症状で」「②どんなふうに困っていて」「③どうなりたいか」を診察までにまとめておきましょう。
他にもこんな例
指先のこわばりが原因で趣味のフラワーアレンジメントを断念せざるを得なくなっている。大切な趣味なので再開し、お花のある暮らしを楽しみたい。
仕事で営業をしているが、夕方はほぼ毎日膝が痛み、タクシーでないと移動ができない。普通に営業活動ができるようになりたい。
手のこわばりがあり、毎朝出勤前の身支度のために1時間もかかっている。髭剃りやヘアセットなどの身支度を20分くらいで手早くできようになりたい。
洗濯物を持って階段の上り下りが辛い。家族3人の洗濯物を干すのに毎日1時間近くかかってしまう。家事ができるよう足や膝の痛みを改善したい。
先生に上手に伝えるために、「メモ」と「数値化」を習慣にしよう
● 日常での様子をメモしておこう
たとえば、普段の生活のなかで朝のこわばりがどれくらい続き、それによってどれくらい困ったか。夕方に倦怠感があってできなかったこと、主観的症状によってあきらめたり妥協したりしたことなど、気づいたことをメモしておけば、うまく先生に伝えられるかもしれません。
● 「程度を数値化」してみよう
症状を人に的確に伝えるのは、意外とむずかしいものです。自分なりに「程度を数値化」して伝えてみましょう。「すごく痛い」よりも「60分マッサージをしないと動けません」のほうが、具体性があり、伝わりやすくなります。
情報に振り回されない。気になることは先生に聞いてみよう
情報化社会の現代では、先生に聞かなくても、書籍やインターネットなどでいろいろな情報を手軽に入手できます。ただし、残念ながら確かでない情報があるのも事実です。あなたに当てはまらないことかもしれませんし、そこにある情報がすべてとも限りません。わからないこと、疑問に思うことがあればメモをしておき、診察時に先生や看護師さんに相談してみましょう。
あなたの気持ちが伝わる3ヵ条
良好なコミュニケーションを助けるこころがけ
自分の症状を先生にきちんと伝え、一緒に治療に取り組むために、3つのことをこころにとめておきましょう。関節リウマチは長く付き合う病気だからこそ、必要以上に気負わず、でも前向きに、あなた自身の「良い日」を目指して治療に向き合うことがとても大切です。