くらしのひと工夫
■ どう参加する?冠婚葬祭
<結婚式 などの慶事>
気になることや要望は事前に伝え、
当⽇は無理せず楽しんで
遠慮しすぎず、要望は事前にきちんと伝えて
招待されるということは、あなたは⼤切なお客さま。主催者側は、不安を感じずに楽しんでもらいたいと思っていますから、過度な遠慮はせず、事前に要望を伝えておくほうがお互いに安⼼できます。
コース料理の場合、フォークやナイフがうまく使えるか⼼配なら、事前に⾁や⿂を⾷べやすいよう、⼀⼝⼤にカットしてほしいと伝えておくといいでしょう。普段使っているカトラリーを持参するのもおすすめです。
招待状の返信をする際に、当⽇の要望を添えておくなど、勇気を出してお願いしてみましょう。
移動は友⼈や親せきと。荷物は必要最⼩限に
慣れない場所への移動も⼼配の種。移動の途中で疲れたら、迷わずタクシーを利⽤しましょう。会場まで同⾏できる友⼈や親せきがいれば、⼀緒に⾏くと安⼼です。朝だけ有料のヘルパーをお願いし、⾝⽀度や最寄り駅までの同⾏を依頼するのもおすすめです。
また、当⽇は、普段使っている財布やキーケース、メイクポーチから、必要最⼩限のものだけを⼩さいポーチに⼊れ替え、できる限り荷物を軽くしましょう。バッグのスペースも空くので、ご祝儀袋や移動中の飲み物、お薬など増えた荷物も⼊れやすくなります。
段差や階段など移動の不安は会場に問い合わせを
会場によっては階段や段差があることも。ホームページだけでは把握しきれないことがあるので、会場に電話で問い合わせておき、必要なら親しい⽅にサポートをお願いしましょう。
中座や⽋席をする可能性があることを伝えておく
事情を伝えておき、⼤事な演⽬以外は中座するなど無理をしないように。体調がすぐれないときは勇気を出して⽋席を。主催者には後⽇、改めて感謝の気持ちを伝えましょう。
帰宅後、すぐにくつろげる準備をしておく
⻑時間の外出で関節の痛みや疲れが出ることも。帰ったらすぐにお⾵呂に⼊れるようにしておく、事前に夜⾷を準備するなど、帰宅後すぐにくつろげる環境を整えておきましょう。
<お葬式や法事 などの弔事>
滞在時間の調整や座る位置、
ちょっとした⼯夫で負担を軽減
壁側、後⽅に着席を。芳名帳⽤にメモがあると便利
時間の⻑い弔事の場合は、早く着きすぎると、さらに滞在が⻑くなり疲れてしまうもの。滞在時間を短くするためにも、出発時間を調整しましょう。
また、⽴ったり座ったりする場⾯が多々あるかもしれませんが、出⼊り⼝の近くや壁側、後⽅に着席すると、⽴ち座りの回数も少なめにでき、⼈⽬にも触れにくく⼼⾝の負担が軽くなります。⼿のこわばりや関節の痛みから芳名帳への記名が⼼配なときは、あらかじめ住所や名前を書いたメモを⽤意しておき、受付で事情をお伝えすれば受け取ってくれます。
椅⼦を⽤意してほしいときは事前に連絡を⼊れると安⼼
お座敷の場合、会場に椅⼦の⽤意をお願いするとよいでしょう。当⽇に申し出ると準備で忙しく、時間がかかることがあるので、事前に会場へ連絡を⼊れておくのがおすすめです。
弔事⽤の名前スタンプを⽤意しておく
最近では、薄墨で⾃分の名前が押せるスタンプが販売されています。弔事⽤に⽤意しておくと、筆ペンが不要ですし、字の乱れなどを⼼配する必要もなく、重宝します。
ブラックフォーマル選びのポイント
脱ぎ着しやすい服と履きやすい靴の⽤意を
ブラックフォーマルは、急な場合に備えて、脱ぎ着しやすいものを⽤意しておくと安⼼です。
⼥性の場合、前あきタイプのワンピースやチュニックがおすすめです。マタニティー⽤にかぶるだけで着られるゆったりしたものもあるので活⽤を。冷えが気になるときは、さらにパンツを合わせて。
男性の場合、⾸に掛けるだけで装着できる紐付きのネクタイのほか、ファスナーで開閉できるシャツも市販されているので、ぜひ取り⼊れてみましょう。⾜元は⿊であれば、履きやすい布製の靴などで問題ありません。
Point1
前あきのワンピースやチュニックを選んで
ボタンを留めたり、背中のファスナーを開閉したりするのはひと苦労。
前あきのワンピースやチュニックで、ゆったりしたラインのものを選んでおくと楽に脱ぎ着できます。
Point2
結ぶ必要のないワンタッチ式のネクタイを
すでにネクタイが結ばれた形になっており、紐を⾸に掛けたり、クリップで留めたりするだけで着けられるものが市販されているので、着⽤しやすいタイプを⽤意しておきましょう。
アテンド代表
河北 美紀(かわきた・みき)さん
高齢者の外出・冠婚葬祭付き添いサービスを行う「(株)アテンド」の代表取締役。
会場の下見、式のスケジュール把握など、細かなサービスを通して、外出時や冠婚葬祭時に必要なサポートを提供。
亀戸ドレスメーカー学院副校長/アソシエCHACO代表
栗田 佐穂子(くりた・さほこ)さん
学院で服飾の教鞭を執るかたわら「介護服のマイスター」となる。
誰もが着やすくきれいに装えるユニバーサルファッションショーを開催。
出版、講演、商品開発、販売等を行っている。